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交友録
久しぶりのカニかにツアー 阿部支部長から投稿していただきました

 

 

         2023年 久しぶりのカニかにツアー

             (今回の出来事とチーム旭陵による解決)

                                           阿部紀一郎(54期)

過去には乗り遅れや忘れ物など何らかの出来事で彩られる「カニかにツアー」が、2020126日以来3年ぶりに「無事」開催されました。「無事」の顛末をご紹介いたします。

 


2023129日(日)に計画されたツアーは、大阪駅から城崎温泉駅まで特急。城崎温泉駅から山陰線各駅停車で佐津駅へ。佐津駅にはいつもの民宿「源助」から迎えのマイクロバス。カニ三昧の後で帰路に就くという、例年通りのものでした。

幹事は玉川洋さん(59期)。例年のツアー幹事の欠席に伴い、今回急遽引継ぎ立候補したのは126日の役員会でした。やむを得ずの立候補とはいえ、決意の表れは翌日からの引継ぎ開始に表れていました。ホームページに「参加者募集」をアップしたのは3日後の早業。その他の幹事業務引継ぎ(具体的には「JR西日本のご担当への依頼」「最少催行人数の確認」「チケット代金の支払い方法を日本旅行と打ち合わせる」など)も精力的に動き、確定した参加者に「旅のしおり」として詳細の案内をいただいたのは正月松の内でありました。最少催行人数2名。申込者は5名。「実施」です。

ところが(覚えておられる方もあるでしょうが)123日からの寒波襲来。前日までの平均最低気温は2℃を下回り、最高気温も8℃を越えない中、ツアー前々日(127日)には鉄道の計画運休が発表されました。

天気予報と鉄道運休状況を逐次チェックしながら日本旅行と「運行状況とキャンセルの取り扱い」の詳細打ち合わせをしていた玉川さんは「福知山城崎温泉駅(夕方まで運転取りやめ)」を見た瞬間どんな心持だったか、察するに余りあります。

玉川さんは早速参加者に「18:00頃に実施日の運休の情報が出たらカニツアーは中止」「特急こうのとりは動いて、山陰線の運休の場合も中止するが、この場合も50%のキャンセル料が発生する」との詳細メールを発信してくれたのでした。

さらにツアー前日には、「明日1/29の特急こうのとりの運休情報はない。山陰線の城崎温泉・佐津間の運休情報も出てない。明日の準備をお願いします」と決行宣言。それに呼応して「あるがままにやりましょう」(中野光男さん48期)、「てるてる坊主作ります」(阿部54期)と応じたのでした。

 

当日、745分大阪駅のイカリスーパー前。1週間前から連泊の下方さん(47期)、今回お一人での参加は上村さん(48期)の姿を見つけて朝の挨拶。玉川幹事はイカリスーパーの紙袋を下げて店から出てくるなり、「こうのとりも動いてますし、城崎から佐津の路線も動いているとの情報です」と決行の喜びをマスクから見える範囲いっぱいに浮かべて朝の挨拶。「大阪-佐津の乗車券」「こうのとり1号の特急指定席券」の往復セットを受領しました。

早速3番ホームに。若い女性二人組や老若のカップルなど結構な人数。前から5番目くらいに並んで、まさか皆さんこうのとりに乗るわけではないだろうと思いつつ、5人はそれぞれ「雪」と「帰り」の運航予測など話しながら待つこと10分。新大阪始発の列車がホームに滑り込んできました。1割程度の乗客が乗っています。

我々は2号車3C,D4B,C,D5席。阿部は3Cです。通路を空けるためリュックを席に仮置きして、立ったまま車両の奥に入ろうとする乗客をやり過ごします。あとからあとから乗客が続きました。飲み物と乾き物を取り出したリュックを網棚に上げながら車内を見渡すと空いている座席は数えるほどしかありません。皆さんコロナ明けを待っての城崎温泉旅行とお見受けしました。

あれ、すでに列車は動き出しています。

上村さん持参の乾きものつまみを紙コップ5個に山盛りにして5席のテーブル上に配ると、ビール・酒・自宅からペットボトルに入れてきた焼酎などめいめいのお好みの酒で乾杯!隣同士でしか話ができないため(椅子の対面使用はダメ)隣どうしのひそひそミニ宴会です。宝塚駅から乗車の中野さんが合流。席を変わってミニ宴会は続きます。

豊岡の手前で玉川さんがこわばった表情で話しかけてきます。「城崎から先、山陰線が不通との情報が今しがた日本旅行から携帯に入ったので、タクシー手配を依頼したが、未確定です」。4人は口々に「だめなら城崎でタクシーを探して行こうよ」と、玉川さんの心中を察しつつ、良い気分も手伝って、明るく応じました。「決行」なのですから、どうしたらできるかを考えることにしましたので、気は楽です。5つの座席を移動しながらのミニ宴会は続きました。

城崎温泉駅から先の不通の情報は車内放送でも流れ、車内がざわめいたようですが、玉川さん(日本旅行)情報からずいぶんたってからのようでした(確かな記憶はない)。

福知山に近づくと山は雪化粧、豊岡は30㎝近く積もった銀世界。円山川の両岸は雪国でした。

列車は城崎温泉駅に定刻より5分遅れで到着する旨のアナウンス。飲み残しが無いように急いで酒を空け、紙コップのつまみを空けてごみ袋をまとめると到着です。網棚からリュックを下ろし、停車したこうのとり1号から3年ぶりの城崎温泉駅に降りたったのでした。

駅前は10㎝を超える積雪。玉川さん(日本旅行)手配の5人乗りの黒塗りタクシーが待ってくれています。ありがたい。

【城崎温泉駅】

運転手さんは佐津の「源助」をご存じないようでしたが、無線で確認しつつ片道40分程度(大きな道は全く問題なく飛ばしていただきました)で源助近傍まで。でも1本入り込むと20㎝を超える積雪です。側溝にはまらないよう慎重に運転。源助玄関前までぴったりと着けていただきました。

一面の雪、雪に埋まる長靴。皆さん一斉に源助玄関口から上がっていく中、阿部は玄関向かいの石積みを見上げました。頭に雪を乗せた三重の塔は借景の山の雪と深緑に映えて風情があります。「写真を撮ってください」と訴えているように観えました。

携帯で撮ろうとコート左のポケットを探るも「ない」。ズボン左・コート右、ズボン右、ない。リュックポケット小、中、大。「ナイ!」・・・なぜ・・・

「あっっ!」電車の座席前のカゴだぁ!やっちまったぁ!体がかあっと熱くなります。

長靴を脱ぐのももどかしく、源助の奥の座敷へ駆け込むと、畳に5人分のテーブル席。上には刺身とカニ鍋のセットが置かれ、焼きガニ用の焙烙はコンロの上。すでに点火されています。

「電車に携帯忘れましたぁ!」と大きな声で伝えると、上着を取ってくつろいでいた皆さんは一斉にこちらを向いて「えっ?どこで?」。

「多分列車の座席の前かごです。最初に座った場所です!」力なくも確信をもって伝えたのでした。その時の私の顔は青く引きつっていたそうです。後から聞いた話です。

 

即座に皆さん立ち上がり、「チーム旭陵」は動き出しました。

l  「その他の可能性はないか?(ヒアリング)」(上村さん)→阿部の記憶をたどる「確かに最初に座った3Cの前の網かごに入れました間違いないです」

l  「城崎温泉駅の電話番号検索①」(下方さん)→源助さんに聞くも不明。

l  「城崎温泉駅の電話番号検索②」(玉川さん)→「NETでは城崎温泉駅の電話番号は0796-32-****です」→下方さん架電「使われてないとのアナウンスだ」。

l  110番」(中野さん)→阿部に電話を代わって内容を警察に伝える「こうのとり1号の2号車3-Cの前かごに置き忘れた。アイフォンSE、色はシルバーですがケースは黒。開くにはパスワードが必要です。シリアルナンバーは不明です。紛失届の処理番号はこのナカノさんの携帯へご連絡ください」

l  「城崎温泉駅の電話番号検索③」(玉川さん)→「0570-00-****です」→下方さん架電「忘れ物以外の受付で自動案内。忘れ物はネットでチャットする方法を案内するだけだそうだ」(注1)

l  「城崎温泉駅の電話番号検索④」(中野さん)→これ(注1)を横で聞いていた中野さん、再度警察に問い合わせ。「城崎温泉駅の緊急電話の警察登録はないのか?」「ないならJRの駅に緊急で連絡するときはどうするのか?」として、JRのこのエリア拠点は豊岡駅で、その直通電話番号を聞き出す。

l  豊岡駅に架電(下方さん)→城崎温泉駅直通のNTT電話はないの?(ないと分かると)JRはどうやって駅間の連絡とるの?内線があるのですね!豊岡駅の○〇さんに、懇切丁寧に依頼いただき、内線電話で城崎駅員による列車内の忘れ物の探索および結果連絡の協力を取り付けたのでした。(高度な交渉力による依頼方法の詳細はここで再現できないのですが、協力いただけたわけを知りたい方はいずれかの機会に直接チーム旭陵かにまでお問い合わせください)。

焼きガニの良い香りが部屋中に満ちています。ここまで手を尽くしたらあとは待つだけだと皆さんカニに集中。ビール5本、熱燗2合を5本頼み、刺身、焼きガニ、カニちりと進めていくうちに下方さんの携帯が鳴りました。

「あった?!そうですか、後ほど城崎温泉駅に取りに行くのでそのまま留め置いてください。えっ?みどりの窓口に行けばいいですね?」「阿部ちゃん、あったって!」

皆さんありがとうございました!

刺身にまでしか箸が進んでいなかった私は、警察へ紛失届の撤回を伝えると、ビールを飲み干し、そのグラスに注いだ熱燗をのどに注ぎこみながらカニを次々に制覇していきました。美味しかった、ご馳走様!

源助のお父ちゃん(オーナー兼送迎担当)はご健在とのこと。今日はお客さんが来ないため貸し切りだったこと。自家製のパンは焼きたてで出されたもの。など、若女将と話ができるまで復活できました。

「また来てね」の声に送られて源助から城崎までのタクシー。飛ぶように流れる雪国の風景を眺めるうちにふうっと睡魔に意識を奪われてしまいました。

城崎温泉駅、まっすぐにみどりの窓口へ「阿部といいますが、イヤ下方さんからの依頼で携帯電話を預かってもらっている阿部といいますが、ありますでしょうか?」「ちょっと待ってください」と奥に歩いていく姿がもどかしい。戻ってこられる手には小ぶりの黒い携帯。「それです!」

窓口のお二人に何度もお礼を申し上げて、振り返り、再度下方さんにお礼。皆さんの待つ駅のロータリーに小走りで向かったのでした(実際は少し溶けかけた雪に足を取られないようにそろそろ歩いて)。

皆さん城崎温泉駅をバックに写真を撮りましょう。阿部が撮ります。

【下方さんを撮っている玉川さん】


出発時間まで30分。

駅前の「海女茶屋」で反省会をしましょう。

ビール何本か持ってきて。ん、コロッケがある?それもてきとーに頂戴。

ではお礼の乾杯の音頭を取らせていただきます。「チーム旭陵」は最強です。ありがとうございました。乾杯!

 

振り返り1:瞬時に自身の役割分担となすべき行動を開始。困難にあっても次善の策を見出しながら克服。さらに直接の関係者以外の第三者にも行動を促すことができる。チーム旭陵、何でもできそうです。頼もしい限りです。

 

振り返り2:豊岡駅にお礼の電話。○〇さんのお名前を記録してませんでしたので、城崎温泉駅に手配してもらって、こうのとり1号から携帯を回収してもらった礼、城崎温泉駅の方にもお礼を、と事象の説明を伴わないうわべだけのお礼になってしまいました。○〇さんありがとうございました。

 

振り返り3:携帯は常時携帯しておかないと携帯とは言わない。ストラップ2種付き薄型 透明 軽量 シリコンスマホケース (クリア)1,199円(楽天)。






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